広告代理店から愛を込めて

心筋梗塞になった40歳広告代理店の人のブログ

ad:tech NY2009:WPP Martin Sorrell「WPPの成長は新興市場、デジタル、データから」

なにも新しいことでは特にないのだけれど、
たぶん収益基盤が多様な企業だからこそ、動けてるんだろうなあ。
日本企業とは大きく違う。

今や世界での売上トップの広告コングロマリットWPPのCEO、
Martin Sorrell氏が初日に基調講演「Sir Martin Sorrell, WPP: 2010?What's Coming Down the Line?」を行ったので、
その内容について簡単に報告しましょう。
上記のAd:tech Blogからのビデオでは、
企業のトップからや、海外支社や買収先、R&Dなどの部署同士など社内のコミュニケーションを円滑にするツールとして、
デジタルテクノロジーを手にしたという話をしています。
この話に加えて、WPPの成長分野について3つのエリアと、WPPの将来的な姿の話があったので簡単にまとめておきましょう。

これから5年のWPPの成長は
1)新興市場、2)ニューメディア、デジタル、3)データインテリジェンス
から来るし、それらを投資分野として見ている。

1)新興市場
説明の必要もないだろう。
ブラジルをはじめとするラテンアメリカ、インドや中国などアジア、その先のアフリカ市場を見ていかなければならない。ヨーロッパの国々や米国の成長率は知れている。


2)ニューメディア、デジタル:
ニューメディアの重要性は企業内コミュニケーションも含めて、重要になっているし、
ニューメディアと従来型メディアの接触率に比べて、広告費はニューメディアに追い付いていない。
だがゆっくりなり変化は起こっている。

3)データインテリジェンス:
調査会社TNS Media Intelligenceの買収などで、WPPは世界4位のデータインテリジェンス会社になっている。
ニューメディアとデータインテリジェンスで、マーケティングは量的なものになっている。

WPPは、今まであった広告会社の中で、最もテクノロジー投資を行う会社になる。
テクノロジーは我々の業務の中心的なものになっている。
そして、クリエイティビティの定義が変わって、もっと大きな意味合いでのクリエイティビティが必要とされている。

 
さらに、質疑の中で、従来型メディアのモデルでは、今のOne-to-Oneモデルに対応できておらず、
従来型メディア会社の統合は避けられないという見方を示したり、
また広告会社がますますコンテンツ制作を行っていき、編集と広告の境界があいまいになっていくことをなどが語られました。

世界トップの広告コングロマリットのトップが、壇上でパワーポイントを使って自社のプロモーション的なプレゼンをするのではなく、
このビデオに見られるように、聴衆と同じレベルに立ち自分の意見や質問に対して応答している様子は、
ソーシャルメディアが普及していきメディアやマーケティング、広告環境の多大な変化を象徴しているのではないかと感じさせました。

http://adinnovator.typepad.com/ad_innovator/2009/11/adtech-ny2009%E5%9F%BA%E8%AA%BF%E8%AC%9B%E6%BC%94wpp-martin-sorrellwpp%E3%81%AE%E6%88%90%E9%95%B7%E3%81%AF%E6%96%B0%E8%88%88%E5%B8%82%E5%A0%B4%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%81%8B%E3%82%89.html