「おまえに貸しつくったと思うとむかつくからいいよ。」
なぜそんな言葉が出てくるのか。その思考回路が理解できず。
自身の行為を反芻するも、答えは出ない。
凹みと悲しみを通り越して、久しぶりに激情がこみあげ、
喫煙所に座り込みたばこを酷く奥まですいこみ、
怒りを吐きださないようにと、
必死に心を失くす。
「なかったことにすればいい。」
不毛な仕事に囲まれ、
理不尽な顧客に振り回され、
毒しか出てこぬ上司と過ごし、
ついて往きたい上司の背中もなく。
愛のない、哀にまみれた空間にいるだけで、
ひたすらに、時間だけが蝕まれ、
ゼロに戻せるすき間さえなく。
「諦め」と「無関心」が心のそこらじゅうにはびこっていて
なぜ自分はここにいるのか、と、
絶望だけが襲ってくる。
ただただ、
この糞野郎どもに負けるのはまた糞だ、と。
諸症状は出ようとも、耐え続けることだけは得意だ、と。
そう言い聞かせるほか受け流す術がない。
こうして穴の中で毒を吐き、意識を失くす惰眠をむさぼる。
そうでしかやりきれない自分の底の浅さにまた、夢をなくす。