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渥美清さんの173句見つかる、俳号「風天」で心情生き生き

 映画「男はつらいよ」シリーズの人気俳優、渥美清さんが作った俳句が173句見つかった。
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 1996年に亡くなるまで私生活について多くを語らなかった渥美さんだが、発見された俳句からはその心情が生き生きと伝わってくる。

 俳句を発掘したのは、コラムニストの森英介さん。長野県小諸市の「渥美清こもろ寅さん会館」で紹介されていた句の出所が不明であることを知り、関係者に当たったところ、渥美さんが、73年から76年にかけて、ミニコミ誌「話の特集」編集長が主宰する句会に参加していたことが判明。事務局の記録から渥美さん作の135句が見つかった。

 さらに、この句会のメンバーだったイラストレーターの和田誠さんの指摘で、渥美さんが70、90年代に二つの句会に参加していたことが分かり、計38句の存在が確認された。

 俳号は「風天」。渥美さんが演じ続けたフーテンの寅次郎にちなんだ名だ。最も古い句の一つが、69年から始まった「男はつらいよ」シリーズが軌道に乗り始めた73年の「さくら幸せにナッテオクレヨ寅次郎」。

 「雲のゆく萩のこぼれて道祖神」など旅の句や、「ようだい悪くなり苺(いちご)まくらもと」「秋の野犬ぽつんと日暮れて」など身の回りを詠んだ句など、国民的なスターとは違う一面をうかがわせる句がずらり。「花道に降る春雨や音もなく」は、亡くなる1年半前、95年1月の作として記録が残っている。

 森さんは「関係者でも渥美さんが俳句をたしなんでいたことを知らない人が多い。私生活もほとんど知られていないが、気持ちがふとにじんで作ったような俳句からは、寅さんでない渥美さんの心が見えてくる」と話している。発見された全句を収めた「風天 渥美清のうた」(大空出版)は、27日発売される。