広告代理店から愛を込めて

心筋梗塞になった40歳広告代理店の人のブログ

memo

不景気と騒がれる昨今ですが、
「プロサンプションという消費者の(無償の)生産的活動を、企業活動の一環として関係性を取り結ぶ(ことで結果的に収益性を改善させる)」
研究を続けていくことで、この閉塞的な状況を打破する1つのアプローチとして提示していきたいと考えております。

さて、昨年の続きで、「プロサンプションとコミュニケーションの接点」の具体的な事例をもう1つ挙げます。

サントリーが昨年5月に実施したブロガーイベント「ハイボールナイト」です。


3月にサントリーが開催した「シングルモルトウイスキーセミナー(白州蒸溜所)のブロガーイベント」の1コーナー「すごいハイボール」の話題が、
参加したブロガーの間で盛り上がり、そこを起点にブロガーの間でハイボール熱が高まっていきました。

それを背景に、“クチコミ・マーケティングのパイオニア”ONEDARI BOYS(
企業に対して自分たちのブログで話題にしたい商品のサンプル送付を自主的に“オネダリ”する集団)が、
サントリーに「ハイボールオフ会」をオネダリして、サントリー側がそれを快諾した。

・・・という事例です。ここでまとめた3つの観点に沿ってポイントを書いてみます。


まず、「プロサンプション活動のコンテクスト」ですが、これはもう、申し分ないですよね。
ブロガー(生産消費者)の間で「ハイボール」に関する話題が盛り上がっており、
しかも「オフ会を主催してみませんか?」というオファーまでもらった、という状態であり、
ハイボールについてもっと知りたい!広めたい!」というコンテクストは、関係性を取り結ぶ上でとても良好だと言えます。


そして、「発散的なプロサンプション活動を集約するVision」ですが、
今回の事例は、企業にとってはコンテクスト自体がかなり企業寄りに集約されている状態でしたので、
「(オファーに応えて)オフ会を実施する(ことでブロガーと関係性を取り結ぼうとする姿勢を示す)」ということに尽きます。


最後に、「プロサンプション活動の元となるネタ等の提供」ですが、
これもその「オフ会開催」に尽きます。この記事のトラックバックから参加者の感想など読むと、
申し分のない情報や体験が提供されたようです。
特に、「名札のリボンの色を顔出しOK/NGで選んでもらう」など、細かい配慮/おもてなしもされています。
また、そもそも企業の情報を発信する公式ブログ「サントリートピックス」があること自体が、
情報/体験の提供の起点となっており、このような施策をやりやすい体制になっている、と言えます。


以上、ポイントを書いてみましたが、
詰まるところ、「ブロガーからの要請を快諾してスピーディーに実行に移した」ということが、最も大切であり、
ブロガー(生産消費者)と関係性を上手に取り結ぼうとする企業姿勢が見えます。

http://prosumption.daiko.co.jp/?p=243