好きな人。というフレーズがある。
すき【好き】
[名・形動]
1 心がひかれること。気に入ること。また、そのさま。
「―な人」「―な道に進む」⇔嫌い。
2 片寄ってそのことを好むさま。物好き。また、特に、好色。色好み。
「幹事を買って出るなんて、君も―だねえ」「―者」
3 自分の思うままに振る舞うこと。また、そのさま。
「―なだけ遊ぶ」「どうとも―にしなさい」
心がひかれる人。気に入っている人。ということになる。
自分が「生徒」だったころ、「好きな人」というフレーズには、くすぐったい語感があった。
なので、文字づらとしては、「スキナヒト」という方が感覚的に近い。
どこか触れられたくないような、でも心躍る、特別なもののような。そんな感じだ。
それが、今になると、「好きな人」というのを使っていない。
なぜだろう、と思った時に、オトナになったとか、特別なものじゃなくなったとか、ありきたりに思うのだけれど、
たぶん、段階が1つ多かったからのように思う。
あの頃は、
《平常》→《気になる》→《恋する》→【付き合う】
だったのが、今は、
《平常&気になる》→《恋する》→【付き合う】
になっている。ような気がする。
今になって思うと、かなりあふぉなコトだと思うのだが、
「好きな人」というのは、「何位」という、順位付けが存在していて、
「3位まで教えてよ」とか、そんなようなことを言っていた。
つまり、「候補リスト」みたいなのを勝手に作っていたことになる。
(もちろん、1位しかいなかった人もいるし、1位しかいなかった時も自分はある。念のため。)
これは推測するに、
《平常》から1段階上がって、《気になる》の段階での話だからこそ、順位付けができたんだろうと思う。
ドライな言い方をすれば、「検討」してるのであって、
「検討して選べる楽しさ」みたいなものが、「スキナヒト」の語感に繋がっていたのではないか。
それを考えると、オトナになる、というのは、意外にシンプルな恋愛行動に移っているはずで、
ちょっと意外だったりする。