何も要らない。
そう思ってた。
それが、自分の力の根源だったのだ。
本当は要るのに、要らないと思わせる。
そこから生まれる背水の陣のエネルギー。
完全なものになりたくて、
だから、おれは、必要なこと以外はいっさいしないと決めてた。
それ以外のことを考えるのもやめようと思った。
でも、頭悪いなりに考えたんだ。
世の中ってなんだろう。
社会ってなんだろう。
会社ってなんだろう。
上司って、先輩ってなんだろう。
組織ってなんだろう。
幸せってなんだろう。
自分ってなんだろう。
なんでかわからないけど、考えなくちゃならない。
そこからは逃げられないと思うようになった。
ある時、
「ああ、こんなおれでも、世の中の、みんなの一部なんだな」
最初にそう感じた時は、感動しました。
一人旅をすると、また感じる。
今までの自分の怒り、反抗、不安や焦りも、つまらない小さいことのように思えた。
でも、同時に、進むことそのものに、意味を感じなくなっちまった。
完全なものなんて不可能だ、と悟っちまった時に、
完全なものを渇望してやまなかった自分は、
さまよう意味をなくしちまった。
でも、ようやく知りました。
自分1人で、「よのなか」と向き合うのは危険なんだ。
「よのなか」は、1人で手に負えるもんじゃない。
当り前のことだったんだ。
誰でも知っているような方法。
おれぁひとさまのことは、割と勘づくクセに、
自分のことはとんとニブいから気づくのがだいぶ遅れたよ。
一人じゃないからおれは生きてられるんだ。
愛しあうことだけが、どうしてもやめられない。
いいか悪いかはしらないが、とても強い力だ。
人間はみんなすごい力をもってるんだ。
素晴らしいことだし、恐ろしいことだとも思う。
「今」ってやつは、恐ろしい方向にしかいってないんだ。きっと。
きっとみんな、この力の使い方をもっとうまくならなくちゃいけない。
日本に、いや、世界に必要なのは、
そういう人なんだと思う。
by プラネテス+平山実感加筆。
- 作者: 幸村誠
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